こんばんは,ゴドーです。
年末年始,帰省中の読書用に,量子コンピューターに関する図書を数冊図書館で借りておきました。
まだ全てを読み終わったわけではありませんが,近いジャンルの本を続けて読むと理解のスピードが速いように感じています。
モノの形状を把握するのに多角的な視点が有効とはいえ,あまりに違う方向から眺めているのでは,それが同じモノを見ているとすぐには分からないかもしれません*1。
それに対し,少しだけズレた位置から同じモノを眺めることで,立体視や画像処理におけるステレオマッチング技術のように対象の形がよく分かるのですよね。
近いジャンルの本を集める方法としては,ひとつの書籍中に出てきた引用文献にあたるという方法がまず考えられます。
学術分野の全体像を掴むため,論文同士の引用・被引用関係を辿って関連論文を読んでいきますが,これと全く同じですね。
また,特定のキーワードで引っ掛かった書籍に一通りあたってみる方法もあるでしょう。
今回の読書はまさにこの方法で,図書館の検索機能に「量子コンピュータ」と打ち込み,サジェストされた本からタイトルを参照に数冊選んだ形になります。
同じジャンルの本を続けて読むことで同じ内容が少しずつ違った方法で説明され,上述の通り理解が一層深まります。
また,同じジャンルの本であってもその記述内容には差異があるものですが,この差から逆にそれぞれの本の特徴が分かるのも嬉しいところ。
書籍は批判的に読むことが重要とはいえ,1冊の本としてストーリーが完成した文章を批判するのはなかなか難しく,しばしば著者の言うままに飲み込んでしまいがち。
その点,複数の本を読むことで「この本はあの本と説明が違うな」「この記述は初めてだな」と差異が目立ち,著者のスタンスによるバイアスや説明の省略された部分に気付くことがあり,相乗効果で個々の本をバラバラに読むよりもっと批判的・分析的な読書ができます。
このまとめ読みは,前の本を読んだ記憶が新しいうちに次の本へ差し掛かる方がよいので,ある程度まとまった空き時間が必要なので,年末年始はうってつけでした。
今後も連休を狙って時々「同一ジャンル本祭り」を開催していきたいですね。
それでは,また。
/ゴドー
*1:後々になって「あれは同じモノだったのか」と気付く経験は価値あるものですが。