プロジェクション・フィルム(仮)

いろいろ考えたことを言語化して焼き付けておくためのブログ。話題は研究・身体・生活から些細な日記まで雑多に。ほぼ毎日21時更新です

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車両内事件の予防と対策について

2018/6/9の東海道新幹線内で発生した殺傷事件について、同様の事件の予防と対策について考えてみる。

www3.nhk.or.jp

 

考えたこと

 ・同種の事故を予防するためには、入場時検査によって凶器を持ち込ませないことが必要と思われる。スムーズな入場を行うためにも、非接触の持ち物検査手段が実施されることが望ましい。

・車両内に設置したカメラで不審な行動を検出できるようになれば、凶行を早期発見し、被害を最小化することができると思う。

・刃物を持った人間相手に、正面から立ち向かうのはリスクが高い。状況にもよるし、狭い車両内だが、とにかく逃げることを考えたい。

 ・車両内事件による被害を減少させるためには、予防よりも、事件の早期検出と対応迅速化が必要であると思われる。

入場時に非接触で検査を実施することで凶器持ち込みを予防

移動する車両内で起こる事件は、スペースが狭いことから犯人から逃げることが困難であり、車両を停止させてからでないと警察も乗り込めないことから、被害拡大を防ぐことが難しい。今回のような人命に関わる事故の発生を少しでも防ぐために、そもそも凶器となる刃物類を持ち込ませないような運用をできないだろうか。

例えば、改札口において乗客にセキュリティゲートをくぐらせ、刃物類の検出を行う*1。空港の搭乗時検査のようだが、より多くの流量を裁かなければならない鉄道において、全ての金属類をいちいち検出していては回らない。衣類やバッグを透過して、刃物類を検知するセンシング技術が必要になる。

ついでに、改札口がゲート状になるのであれば、顔認証か何らかのセンシング方法で、ウォークスルーで料金が支払えるようにしていただきたい。逆に考えると、このような精算方法がメジャーになるような時代にならなければ、この対策方法は実現しないかも。。

行動解析による被害最小化

 入場時検査よりもまだ、実現時期が早そうなのが、車両内に設置したカメラによって不審な行動を検出し、乗務員や警察機関等に通報するシステムである。現状の、自分が知っている範囲のAIによる姿勢推定や行動解析は、まだまだ実用レベルではないと思っているし、いつごろ実現するのか(そして本当に実現可能なのか)もよく分からない。

また、あくまで事件発生後の初期対応を迅速化する効果しかないので、今回のような突発的凶行による被害をどこまで防げるかも怪しいところではある。しかし、殺傷事件に限らず、様々な発生しうる異常に対して、車両内カメラは活用できると思う。

刃物相手に立ち向かえる?

車両を停止するまで警察等は乗り込めない(と思われる)のだから、凶行を素早く止めるためには、乗務員が犯人を取り押さえるしかない。さすまたのようなものが新幹線にも用意されているんだろうか、などと思っていたら、座席を取り外して盾として利用したと知った。取り回しは難しそうだが、刃物を持った相手に突撃して、そのまま固めてしまうイメージだろうか。

Twitterを見ていると、座席が外れることに関して、いざというときの備えに覚えておこうという意見が見られた。しかし、肝心の取り外し方がよく分からないし、例えその方法は知っていたとしても、緊急事態において速やかに着脱できるだろうか。

基本的に、刃物を振りかざした人間に出会ったら、なりふり構わず逃げた方がいいと思っている。どうしても立ち向かわなければならないにしても、カバンを飛び道具にするとか、絶対に相手の間合いに近寄らないこと。よっぽど訓練されている人でないと、素手での対処はできないと思う。格闘技を修めている人でも、ガードが致命傷になるかもしれない刃物相手に、実力を発揮して戦えるでしょうか。

狭い車両内だとしても、少しでも犯人から距離をおく必要がある。なりふり構わず逃げること。最初に狙われた窓側の女性が、通路に脱出できたのは不幸中の幸いだったと思う。

車両内事故はゼロにできる?

Twitterで、今回の事件に対する色々な方の意見を眺めていると、車両内テロといった言葉を用いている人がいた。しかし、テロとは政治的な主張のために暴力的手段を行うものであるので、今回のケースはテロにはあたらないと思われる。

実際、テロリストが車両内で凶行に及ぶことは、ほとんどないのではないか。不特定多数の乗客を人質にして、自身の主張を発信するにしても、移動する車両内から外にアピールするくらいならば、どこかの施設を狙うように思う。バスや飛行機をハイジャックする場合と違って、鉄道は敷かれたレールの上を進むだけであるので、9.11のように、重要施設にぶつけてやろうということもできない。あり得るとしたら、自身は車両に搭乗することなく、ホームや線路などを爆破して、どこか別の場所から政治的主張を行うことだろうか。

今回の犯人もそうであったようであるが、車両内で凶行が起きる場合は、特に誰かを狙いたいとか、何かを主張したいという理由なしに、犯行に及ぶのではないかと思う(今回の凶行も見方によっては何らかの主張かもしれないが、その対象も不明だし、個人的にはどうでもいい)。明白な対象とか主張がない以上、そのような犯行が起こることを(もしくは、そのような犯行を起こそうと気が生じることを)完全に防ぐのは不可能に見える。

上述したような、刃物類をそもそも持ち込ませないシステムが実現すれば、あるいは事件を未然に防ぐことも可能かもしれない。それでも、やろうと思えばボールペンでも凶器になりうるし、完全なゼロリスクは不可能だ。

画像解析などによって事件の発生を早期に検出し、迅速に対応するマニュアルが必要であると思われる。

 

 今日は近所のカフェでランチ。元店員さんの家族が来ていて、2歳3ヶ月になるという娘さんが、トテトテと歩きまわり、他のお客さんたちに独自の会話ペースで喋っていて、非常に可愛らしかったです。

*1:検査に引っかかった人は、速やかに別ルートへ誘導して検査。刃物を持ち込む必要がある人は事前申請する?