こんばんは,ゴドーです.
会社のトイレに入って,個室でトイレットペーパーを使ったところ,ロールが途中で切れてしまったので,近くに置いてあった新しいものに交換しました.
物心ついたときからずっとですが,自分が使っていてトイレットペーパーがなくなったときは,可能であれば必ずその場で新品をセットするようにしています.
ロールがひとつしか備え付けられない場合は,新品に取り替えないと紙を使えないという強い理由がありますが,例えロールがふたつ以上あり,新品に換えなくても引き続きトイレットペーパーを使えるような状況であっても,自分で使いきったロールは自分で交換します.
新品のロールに換えることで,例え自分自身にはそれほど恩恵がなくても,後からトイレットペーパーを利用する他の人に利益を与えることができます.
裏を返すと,トイレに入って紙をスムーズに使えるのは,誰かがそこにセットしてくれたからということでしょう.
みんなが誰か他の人のためにトイレットペーパーを交換することで,お互いがお互いを助け合って,みんなで快適になれる訳です.
このように見知らぬ誰かを助けるという戦略を皆がとりあうことで,社会全体として相互協力が成り立つようなメカニズムのことを,進化生物学などでは「間接互恵」と呼び,互恵性の進化を説明する理論として広く研究されています.
残念ながら,トイレットペーパー問題を語るのに,間接互恵の文脈だけでは不十分かもしれません.
たとえば会社と街中でトイレットペーパーが交換されていない場面に出会う確率を考えてみると,街中の方が圧倒的に高いので,環境や人々の属性の差から考える必要もありそうです.
しかしながら,人々の振る舞いを考える上で,ひとつの面白い切り口ではないかと思います.
それでは,また.
/ゴドー