こんばんは,ゴドーです。
今日は伝統太極拳の稽古日でした。
剣を使った新しい技を教えてもらっていますが,なかなか難しいですね。
初級のうちは素直な動きが多く,顔と同じ方向に身体を向けて構えていることが多いです。
しかしながら,技が進むにつれて,西を見ながら北東を向いていた腕を操作するような場面が出てきます。
普段やらないような動きをすると,途端に自分自身の身体の癖や,生理的な反応が表に出てきてしまい,合理的な動きができなくなってしまうと。
伝統太極拳は護身術であって,全方向からの外乱に対して常に強い合理的な形を取り続けることを旨としています。
一方,僕たちの普段の日常生活では,合理的な身体の使い方を考えなくても,とりあえず歩ければよく,とりあえず物を持てればよいですね。
つまり,各目的を達成するのに必ずしも最適な身体の使い方をし続ける必要がなく,そのため「個性的」に身体を使っていることが多いでしょう。
自分が教わっている太極拳の先生も各自の「個性」は無碍にしませんが,しかし一方,太極拳における合理的な身体の使い方を教授してくださっています。
そもそも,人間工学的に考えれば,正しく強い最適な形というものが存在することは不思議ではありません。
スポーツの世界でも,「とりあえずボールが飛べばよい」といった身体センス中心の練習から,フォームを意識するスポーツ科学的な考え方に変わってきているでしょう。
伝統太極拳を始めとする東洋の身体技法は,スポーツが科学になる前からずっと合理的な身体の使い方を模索し続けてきたわけで,そこでの知見は決して馬鹿にできないと思います。
もともと子供のころにあまり運動をしていなかった自分ですが,それでも伝統太極拳を通じて,だいぶ自分の身体のことが分かってきたように思います。
身体を動かすことを苦手に思っている方にこそ,武術をオススメしたいですね。
それでは,また。
/ゴドー