こんばんは,ゴドーです。
疑似科学に関する本を読んでいます。
SNSでも疑似科学を発信しているひとを見かける人がいるのですが,"善意の”発信者っぽいひともしばしば見かけます。
そこで興味があるのは,なぜ疑似科学は多くの人に信じられ,広められていくのかということ。
多くのひとに共通する傾向があるというのは,その背後に共通した心理的機能があるはずです。
そういうわけで,心理学的観点から疑似科学を考える本を探していたら,ちょうど見つかりました。
『なぜ疑似科学を信じるのか 思い込みが生みだすニセの科学』。
まだ読み始めたところですが,おそらく求めていた知識が手に入りそうです。
なぜ疑似科学を信じるのか: 思い込みが生みだすニセの科学 (DOJIN選書)
- 作者: 菊池聡
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2012/10/19
- メディア: 単行本
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脳科学の本を読んでいても感じることですが,人間の理解は必ずしも合理的で論理的ではないのですよね。
錯視があることは有名だし,物事をあるがままに捉えられていないことは明白です。
種としてほぼ同型に作られた認識回路のおかげで,他者とのコミュニケーションが可能になる一方,ある一定の心理的"攻撃”をされると抵抗するのが難しくなっていると。
カルト宗教的な「洗脳」や増加する「特殊詐欺」など,多くの手口は非常にシステマティックです。
脆弱性があるCPUがクラックされるように,脳の認識回路というハードウェアに共通する脆弱性を狙って攻撃されているわけですね。
それでは,こういった認知攻撃に対してどのように対処するればよいのか?
生理的機能を突いてくる以上,真っ向から勝負して抵抗することは不可能でしょう。
本格的に対処しようと思ったら,入ってくる情報をシステム的にフィルタリングするしかないと思います。
人間のような認識回路をもたないAIを作り,情報を精査させるのですね。
まあ,このような本格的対処が難しいことは明らかです。
技術的な話もそうだし,なにより認知攻撃の定義が難しい。
極端な話,僕たちが目にする情報は全て,ある種の認知攻撃ではないでしょうか。
目にするもの全てを疑い始めたら,精神衛生上よろしくありませんし,実生活で困ることは間違いありません。
なので,大切なのは「自分だって簡単に騙される」ということを知っておくことかと。
今こうして考えている自分自身が,過去の教育や経験によって,既にバイアスがかかった思考をしていることを知ることです。
その上で,特に悪質と思われる攻撃に関しては,その手法を学ぶことが大切だと思います。
完全とは言えませんが,方法論を知っておくことで,いざ被害にあったときに対応できる可能性は高まると思います。
脳科学や心理学は学んで損はありませんね。
それでは,また。
/ゴドー