こんばんは,ゴドーです。
突然ですが,「感動」という言葉は使い所が難しいなぁと。
特に,モノの性質を説明するときに「感動する○○」というのは注意を要すると思います。
言葉でラベル付けするのは理解する上で大切ですが,捨象してしまうデメリットもあるのではないでしょうか。
言葉にすることで削げ落ちてしまうものがある,ということはどんな現象を説明するときも同じです。
しかし,「感動」という言葉が特徴的なのは,本来言葉にするのが難しい情動を表現しようとしているからだと思うのです。
言葉による表現は理性的な行動ですから,非理知的な感情を単純な一語で表すこと自体,そもそも難しいでしょうね。
では,どうすればよいのか。
音や映像で伝えるという表現方法もありますが,言葉だけで表現するとしたら,基本的には言葉を重ねるということになるでしょう。
複雑な感情を単純な一語で表すのではなく,より連なった文脈で表現するのがよいのではないかと。
素晴らしい小説の読後感などは,何千何万という言葉を重ねて初めて生まれる複雑な感情であると言えるでしょう。
とはいえ,常に何千語も重ねなければ伝わらないというのも不便なもの。
少ない言葉で如何に複雑なものを説明するか,というのも技量のひとつですね。
それでは,また。
/ゴドー