こんばんは,ゴドーです。
『アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか』という本を読んでいます。
アフリカで発生した我々現生人類の祖がどのようにアジアまでやってきたのかに関して,最新の研究成果に基づき解説された本です。
一口に人類史を研究すると言っても,研究手法は様々。
石器等から生活様式を探る考古学や,骨格形状を調べる化石人類学に加え,骨のDNA解析に基づく遺伝学的手法と,あの手この手で遥か昔のことを調べており,非常に興味深いです。
アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか (朝日選書)
- 発売日: 2020/02/10
- メディア: 単行本
個人的に面白かったのは,現生人類がどのように大陸から日本へ来たのかという話。
当時の海面高度から,地続きな部分とそうでない部分が分かり,沖縄付近は陸続きではなく船で来るしかなかったようです。
さらに,水平線の関係から大陸側から沖縄諸島は見えないらしく,かつての人類は見えない島を目指して漕ぎ出したことになるとか。
ブイや実際に船を作ってみたりして,黒潮に乗った漂流ではなさそうだという話はとてもおもしろかったですね。
迫害された人々が追われて沖縄に流れ着いたのではなく,開拓精神をもって沖縄にたどり着いたのだと思うと,とてもおもしろいですね。
他にも,数理モデル的な解析は自分の専門分野との関わりもあり,興味深く読みました。
ひとえに人類史学と言っても,様々な研究領域が合わさって真実を調べようとしていることがよく分かり,非常によい本でした。
それでは,また。
/ゴドー