こんばんは,ゴドーです。
「ハプティクス(haptics)」という言葉をご存知でしょうか?
一言で換言すると「触覚フィードバック」といったところ。
力や振動といった触覚を擬似的に与える技術で,XR技術の一種として非常に注目されています。
例えばバーチャル空間で何らかのオブジェクトを触ろうとしたとき,ハプティクス技術が必要になります。
今後,XR技術が更に進歩し,映像のリアルさが革新的に向上したとしても,描画されたオブジェクトに触ることができず手がすり抜けるままでは,むしろ不自然さが際立ってしまうでしょう。
バーチャルをリアルに感じる上で,触覚を再現することは必須と言えます。
ちょうど最近読み返した森博嗣先生の『有限と微小のパン』で,バーチャル世界に二人でダイブして握手をするというシーンがあります。
作中では触覚フィードバック機能付きのグローブを装着し,グローブの圧着具合が変わることで握手の感覚を生み出すという設定でした。
原理的に相手の手を掴むことはできるけれど,手を掴んだまま引き上げることはできないというのが面白いところでした。
ハプティクス技術に関して僕が特に関心を持っているのが,最近も新聞に記事が出ていましたが,村田製作所傘下のスタートアップ企業「ミライセンス」の3D触覚技術。
機器の微細振動や超音波によって皮膚に刺激を与え,脳を錯覚させて触覚を生み出す技術を持っています。
特に超音波型は,特殊なコントローラーを握ったりスーツを身に着けたりする必要がないという点で,使い勝手が非常に良さそう。
機会があれば,ぜひ一度体験してみたいと思っているところです*1。
それでは,また。
/ゴドー
*1:コロナ禍で直接体験するチャンスがしばらく無さそうなのが悲しいところ。