こんばんは,ゴドーです。
「無知の知」という言葉がありますが,ある物事について自分は知らない・分かっていないということを認めることはリテラシーの基本であるように思います。
改めて言うまでもなく世の中は複雑であり,その全てについてエキスパートになることは実質的に不可能。
もちろん,ある分野について深い知見があれば別の分野でもその知見を流用することは可能かもしれませんが,基本的には素人同然であると考えた方が安全でしょう。
SNSではプロアマ問わずたくさんのコメントが流れていますが,アマチュアに発言の権利がないかというと,そんなことは決してありません。
ただ,個人的には知ったかぶりしてコメントするのは品がないと感じますし,素人である自身の方が専門家より本質を分かっているなどと思うのは大きな誤謬だと思います。
また,特に問題だと感じるのはいわゆるコメンテーターやタレントと呼ばれるような肩書きの方々ですね。
コメントすることが仕事であり,また知名度向上のために様々な発信をしていかなければならないという事情は分かりますが,浅い知識で自信満々にコメントしている例が散見されます。
有名人の発言は良くも悪くも世論に影響しますが,不用意なコメントが拡散されることで世の中に誤った考えが広まるのは社会の利益を損ねることに繋がる恐れがありますね。
SNSであれば名もなき専門家の訂正が入ることも多いですが,やはりコメントのPV数では有名人の方が有利なのが難しいところ。
コメントに「like/dislike」を付けることで自浄作用を図ったプラットフォームもありますが,評価を付けるユーザーが素人であることから,事実と反するコメントに「like」が集中することもあり,根本的な解決策にはなっていません。
専門家が評価するシステムが必要なのだと思いますが,それって要は科学論文における「peer-review」の仕組みに他ならず,ユーザが気楽に投稿するSNSとは相性が悪い気がします。
結局,SNSにおけるコメントの質を向上させることは難しく,情報としてはすべからく信頼度が低いと分かった上で利用するしかなさそうですね。
それでは,また。
/ゴドー