こんばんは,ゴドーです。
飯間浩明著『辞書を編む』を読んでいます。
飯間先生のことは国語辞典編纂者として以前から知っていましたし,Twitterも切っ掛けは忘れませしたがかなり昔からフォローしていました。
しかし,辞典編纂に関する著作があることは存じ上げておらず,たまたま図書館に行ったときに発見した本書を読んでいるわけです。
飯間先生が編纂に関わっているのは『三省堂国語辞典』。
「日本語としてこれが正しい」という規範主義ではなく,「市井でこのように使われている」という実例主義に則っているのが特徴とのことです。
「中学生が読んでも分かるように」というスタンスは利用者にとって優しいですが,幅広い読者層にとって分かりやすい語釈を書くというのは非常に難しい作業でしょう。
そもそも自然言語自体がファジーなもので完全に決まりきった「正解」があるわけでもないし,言葉の使われ方自体も時代とともに変わっていくので,常にその時点での最適を目指して更新を続けていくのが優れた国語辞典なのでしょう。
辞典編纂という馴染みの薄い分野ながら,こんなにおもしろい仕事があるのかと思わせてくれる良書でした。
それでは,また。
/ゴドー