プロジェクション・フィルム(仮)

いろいろ考えたことを言語化して焼き付けておくためのブログ。話題は研究・身体・生活から些細な日記まで雑多に。ほぼ毎日21時更新です

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能動的な作品鑑賞

こんばんは、ゴドーです。


昨日の金曜ロードショーで「となりのトトロ」が公開されていたようで。

毎年のように放送されているようにも思いますが、やっぱりジブリは定番で、視聴率的にも安定しているようです。

先週の「天空の城ラピュタ」のときも、僕のTwitterのタイムライン上では実況ツイートしている人がたくさんいました。


ところで、金曜ロードショーの公式アカウントが放映後に「トトロ」に関する新しい情報をツイートしていたのが話題になっていました。

「トトロ」については主人公のサツキとメイがエンディングで既に死んでいるといった都市伝説的な解釈が昔から有名ですが、その説を直接指示するわけではないものの、ホラー的な解釈を支持するような情報がジブリ宮崎駿監督ご自身の言葉として公式に公開されました。


今回の公式ツイートを元に、また界隈の解釈が進むことでしょう。

必ずしもすべての正解が一問一答形式で公開されたわけではないし、またたとえ公式がすべてを暴露したとしてもなお別の解釈が失われるわけではないでしょう。

このあたりは美術作品の鑑賞とまったく同じで、結局は鑑賞者側の感性に委ねられているものだと思います。


おもしろいのは、「となりのトトロ」を観てトトロを単に愛らしいキャラクターだという解釈もあれば、ヒトとは違う少し怖さを持った生き物だという解釈もあるのですよね。

おそらく、「となりのトトロ」を初めて鑑賞した人の多くは前者の感想に落ち着く気がします。

これは、主人公のサツキとメイにとってトトロが愛らしい存在であると描画されているので、彼女らの視点で作品を鑑賞すると、自然とトトロにも親しみをもちやすいのだろうと思います。

一方、「サツキとメイ死亡説」などは、仮説をもって作品内の描写から積極的に読み取ろうとしないと生まれない発想である気がして、鑑賞の仕方として大きく違いますね。

どういう見方をするのも自由ですが、ただ作品内で提示されたものを受動的に受け取るだけでなく、意図や解釈を能動的に取りにいこうとしする姿勢は、貴重なものの見方ではないかと思います。


それでは、また。

/ゴドー