プロジェクション・フィルム(仮)

いろいろ考えたことを言語化して焼き付けておくためのブログ。話題は研究・身体・生活から些細な日記まで雑多に。ほぼ毎日21時更新です

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言語生成モデルが高度化するほど専門家の価値も高まる

こんばんは、ゴドーです。


最近タイムラインでよく見かけるようになった対話型チャットAI「ChatGPT」。

以前も言語生成モデルに関する記事を書きましたが、この分野の進歩は目覚ましいですね。

gigazine.net


小説のアイデアや医学症例の要約までしてくれるということで、専門知がもはや必要ないという意見もありましたが、個人的にはまだまだAI利用者側に高度なリテラシーが必要だと思います。

ChatGPTはあくまで人間が読んで自然に感じる文章を生成することを目指して学習させられており、正しい内容の文章を生成することを目的としているわけではないので、当たり前ですが生成された文章が正しい保証はまったくないのですよね(なんなら、まったく的外れである確率の方が高いと思います)。


というわけで、高度な言語生成モデルが専門家の代わりになってくれるということは有り得ないと思いますが、人っぽい文章を生成してくれると対話することで、人間側がなんらかのインスピレーションを得るという利用法はあるかもしれません。

誰かに説明しようとすることで、却って自分の頭の中が整理されるということはよくありますからね。


逆に、一見人間と見分けがつかないクオリティーの文章がローコストで次々生産されることで、インターネット上にあふれる情報の玉石混交度合いが更に石多めに傾くことを危惧しています。

実際、情報系御用達の質問掲示板「Stack Overflow」において、ChatGPTで生成された「それっぽいが不正解な回答」が大量に投稿され問題になっているとのことです。

Twitterでも適当に文章を付け足ししてリプライするbotアカウントが大量発生して、ツイートの情報量がかき乱されていますが、同様の問題が引き起こされていますね。

www.itmedia.co.jp


文章の場合は食品と違って「生産地表示」するのは難しい。

引用ソースを辿っていったらAIが生成した適当な文章だった、という未来像も大いにありうるのですよね。

結局、文章自動生成AIによって情報の生産コストが下がっていけばいくほど、高いリテラシーをもつ専門家の価値はますます高まっていくと思われます。


それでは、また。

/ゴドー