こんばんは、ゴドーです。
国立新美術館で開催中の「東京五美術大学 連合卒業・修了制作展」を観てきました。
多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、武蔵野美術大学の5大学の大学・修士の卒業制作展ですね。
これまで学生さんの作品を観たことがあまりなかったので、普段観ているいわゆるプロの作品と比べて色々と新鮮でした。
技術面に差異があるのもそうですし、作品に込めたパッションの面でも結構温度差があるように感じましたね。
題だけで解説がついていない作品が多く、どういう意図なのか分かりづらい作品も少なからずありました。
思うに、作品のコンセプトが相手にどう伝えるかというアプローチが粗削りなのかなと。
商業プロであれば、作品に対価を払う相手に作品のコンセプトや価値を伝える必要があるので、表現が自ずと変わってくるのではないかと思います。
この点、学生さんの作品の多くはあくまで自己表現であって、表現内容を観る相手のことまで考えられていないように感じました。
観衆の目を想像して作るということは、自分の表現を客体化するということで、このメタな視点を手に入れるにはある程度の修行が必要ですね。
そもそも「あなた自身の考えを客観的に伝えなさい」というのは、思えば社会人になるまであまり要求された経験がなく、なんとなくディスカッションが下手だと言われる日本人全般が苦手なことかもしれません。
また、アートは正解が決まっているわけではないので、コンセプトを独自に設定してその表現がふさわしいことを自身で示さなければならないわけですが、これは与えられた問題に対して決められた正解を導き出せばよい学校教育とはかけ離れていますね。
卒業制作ならぬ卒業研究においても同様の課題が課せられるわけですが、確かに自分も苦労したなと、美大生たちの作品を観ながら振り返り感じていました。
それでは、また。
/ゴドー