こんばんは,ゴドーです。
『シミュレーションの思想』を読みました。
前々から薦められてはいたのですが読む時間が取れておらず,ワクチン接種後の休みを利用して読了。
なるほどおよそシミュレーションに関わる人間は必読といってもよい完成度の高い内容でした。
本書はそのタイトル通り,シミュレーションという技術に関する考え方や哲学をまとめた本となっています。
流体力学のナビエ・ストークス方程式等が引き合いに出されてはいますが,数式を理解せずとも読める内容になっていますね。
数式自体はシミュレーション対象に応じて学べばよいだけの話で,むしろシミュレーションという手段を使う意義の方が一般的には重要。
日常的なニュースでも使われるようになったシミュレーションという手法が,いったいどのようなもので,どのように利用されるべきものであるのか,本書はその勘所が分かる良書ですね。
発売は2002年と約20年前でありながら,そこで描かれているシミュレーションの考え方や未来像はほとんど外れていないのも驚きです。
当時としては最先端の内容となっており,一部は時代が追いつきつつあるのが感慨深くもあります。
マシンパワーの向上やデジタルデバイスの普及など,2002年当時と変わった部分もありますが,根底に流れる思想はほとんど共通していますし,向こう数十年は通用しそうな内容になっていると感じました。
シミュレーションに新しく触れる学生さんや,非専門家だが興味がある方など,様々な人にオススメできる一冊です。
それでは,また。
/ゴドー