こんばんは,ゴドーです。
仕事の待機時間に谷岡一郎著『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』を再読了しました。
2000年初頭に書かれた本ですが,社会調査に関する現状は今も変わっていないように思いますし,多くの人が一読すべき内容だと思います。
本を読んだとき,そこで書かれていた内容にすぐ出会うことがありますね*1。
今回もそのパターンで,救急医の木下先生がTwitter上で実施されていたアンケートが気になりました。
少し唐突に感じるかも知れませんが、アンケートを取らせてください。
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) 2021年7月14日
国はHPVワクチンの積極的接種の勧奨を再開すべきだと思いますか?
結果は三原じゅん子厚生労働副大臣にお伝えしてみようと思います。
結論自体は「再開すべき」だと個人的に思いますし,そのように投票しましたが,この結果を大臣に伝えるという使い方については,正直なところいかがなものでしょうか。
先生ご自身も理解されているように,社会調査としては不適当な方法になっています*2。
こういう社会調査っていわゆる「反ワクチン」界隈の人もよく使ってくる手段だと思うのですが,相手が「ゴミ」社会調査を使ってくるから,こちらはより大きな「ゴミ」で対抗しようとしているように思えて,主張の真当さ自体を損ねる行為だと思います。
数のインパクトを頼むのであればアンケート調査より署名を集めるべきですし,政治に働きかけるために世論を反映したデータが必要なのであれば,相応のコストをかけて真当な調査をすべきだと思います。
そのために資金が必要なのであれば,(これまでにもそうしていたように)募金協力もしたいですね。
いち支援者として,HPVワクチン普及の取り組みが正道を歩むことを願っています。
それでは,また。
/ゴドー