こんばんは,ゴドーです.
何かを話し合うとき,お互いに使っている言葉の定義を合わせておくことは,議論をスムーズに進める上で重要です.
もちろん,人間には行間を読む類推の能力があるので,価値観が近い者同士,厳密性を求めない会話ならば,いちいち言葉の定義などしなくても話が通じます.
しかし,裏を返せば,互いに異なる知識をもつ人同士が,精度の高い議論をしようと思えば,まずは使っている言葉の意味を確実に共有しておく必要があります.
特に,技術的な議論においては,この傾向は顕著でしょう.
一方で大切なのは,なるべく一般的で正しい言葉の使い方を意識することです.
使っている言葉の定義を共有することが大切だと述べましたが,数式など高い厳密性をもった方法で記述できるようなものを除いて,言葉の定義にはまた別の言葉を用いることが多いので,そこでの誤解を減らすためには,大本の定義に使う言葉を,なるべく標準的な用法で使う必要があります.
議論の上で物事に便宜上名前を付けなければならない場合でも,なるべく既存の単語の中から,辞書的な意味合いに近いものを選んだ方が親切でしょう*1.
言葉を正確に使えるようになるためには,普段から意識して言葉を使う練習をする必要があると思います.
実際,言葉を使う訓練をしたことがある人とない人とでは,話し言葉にしろ書き言葉にしろ,理解しやすさに大きな差があります.
例え不自由なく日常会話ができていたとしても,そこでの言葉の使い方が正確なものであるとは限りません.
なまじっか,日常会話ではあやふやな言葉の使い方をしても,何となくで会話が通じてしまうこともあり,言葉を正しく使えていないということが見えづらくなっているのかもしれませんね.
言葉を正しく使えるようになるための訓練としては,修飾関係を意識するだとか,テクニック的なものは探せばすぐ見つかると思いますし,実際それで随分改善されると思います.
後は,よく知らない言葉に出会ったときに,すぐに辞書検索をして意味を確認しておくことも良いでしょう.
要は,現代文の受験問題などを思い出せばよいわけです.
問題にも良問悪問ありますが,理想的には,言葉の標準的な意味を理解し,標準的な解釈をすれば,正答が得られるように作ってあるはずです*2.
なんにせよ,意識しないと直らないのは何事も同じですね.
せっかく時間を使って議論するのだから,なるべく効率的に進めるためにも,普段から言葉使いに気を使いたいと思います.
それでは,また.
/ゴドー