プロジェクション・フィルム(仮)

いろいろ考えたことを言語化して焼き付けておくためのブログ。話題は研究・身体・生活から些細な日記まで雑多に。ほぼ毎日21時更新です

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知らないこと・分からないことに不安を感じたときは

こんばんは、ゴドーです.


すっかり秋めいてきましたね.

そういえば十五夜満月を見逃したかな,と思っていたら,今年の中秋の名月は来週になるそうで.

使っている暦の違いか,カレンダー通りの十五夜とはけっこう離れるんですね.


胆振東部地震による全道停電から普及して1週間ほど立ちましたが,以前,節電が叫ばれているようですね.

多くの方が指摘されている通り,もしこの停電が真冬の時期に発生したら,今以上に大きな被害が出ていたでしょう.

実際,これから日本は冬へ向かっていくのですが,ちゃんと備えが出来ているのか気になります.


この問題については様々議論がなされていますね.

僕のTwitterのタイムライン上でも,もちろん議論の一部しか見えていませんが,様々な意見が飛び交っています.

議論の内容はさておき,傍から見ていて感じるのは,知らない・分からないことからくる不安によって,理性的な判断が妨げられている場合がしばしばあるということです.


分からないことに大きな不安を感じるというのは,自分も経験したことがあります.

学生時代に留学した際,出発1週間前辺りから大きなストレスを感じ,胃が痛くなるというのをリアルに体験しました.

異なる文化圏に行った場合に,どういうトラブルが起こり得て,そのときどういう風に対処すれば良いのか,考えれば考えるほど漠然とした不安が広がるばかりでした.

実際に出国した後は,それほどストレス無く留学を終えることが出来ました.

現地に行ってみると,確かに思っても見なかったトラブルが発生することもありましたが*1,目の前に起こったトラブルだったら,対処法もなんとか思いつくものです.


分からないことに不安を感じるメカニズムは,おそらく自然界で生存していく上で有利に働いたため,長い年月を経て人類に備わった機能のひとつだと思います.

発達した脳によって将来起こることをシミュレートし,実際に物事が起こる前に,それを回避しようと試みることができます.


しかしながら,物事が発生したときに起こるダメージが予測できなかったり,またその物事の発生確率が予期できないような場合だと,物事が起こった場合の期待ダメージ量を推し量ることができません.

こういう場合は,なるべく期待ダメージ量を多めに見積もっておくことが「安全側」の行動です.

なので,よく分からないことに関して,ある種過剰なまでに反応してしまうことは,生物学的な生き残り戦略という意味で,もっともな振る舞いだと思います.


とはいえ,本能的に不安を感じるようなシチュエーションにおいても,理性によって行動をある程度制御することができるというのが,他の生き物とは違うヒトの大きな特徴でしょう.

よく知らない・分からないことに対する不安を感じたとき,理性的に振る舞おうとするならば,まず取りうる行動は「知ろうとすること」だと思います.

一昔前に比べて,知ろうと思えば入手できる情報ソースは山程あるわけですから,まずはできるだけ調べてみる.

また,情報には様々な間違いやウソが含まれている場合もあるので,なるべく多角的に調査する必要があるでしょう.


話が専門的でよくわからない場合は,初学者向けの説明を探すのがよいでしょう.

幸い世の中,素人向けの解説を試みてくれる親切な方がたくさんいらっしゃいます.

ただし,初学者向けに簡易化された説明には,断り無く省略された事項があったり,また正確ではなかったりする可能性もあるので,よくよく留意する必要があります.


兎にも角にも,与えられた情報にすぐ反応しないで,物事を冷静に見るということが大切かと思います.

一方で,「知っているつもり」で実は間違った行動をしてしまうこともありがちですが,こちらの話はまた別の記事で書きたいと思います.


それでは,また.

/ゴドー

*1:たとえば,市街地で道に迷うなど.