プロジェクション・フィルム(仮)

いろいろ考えたことを言語化して焼き付けておくためのブログ。話題は研究・身体・生活から些細な日記まで雑多に。ほぼ毎日21時更新です

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守って破壊し,そして離れる

こんばんは,ゴドーです。


今日は昼過ぎから令和最初の太極拳の稽古を受けた後,大学の部活動の新入生歓迎会にOBとして参加してきました。

面白かったのが,それぞれの場所で同じ言葉を聞いたこと。

その言葉というのが「守破離」でした。


守破離とはあまり馴染みのない言葉ですが,武道や伝統芸能の場面で使われる用語です。

技術を修練する過程を,序破急のように3段階に分けて表しているのですね。


「守」は習いたて。

師匠から教わる型を忠実に「守り」,型通りに動けるようになることを目指す段階です。

次の「破」は型を体得したあとの発展。

身につけた型を「破壊し」,よりよいものに改良していくフェーズです。

そして最後の「離」で新たな創造進化。

元の型を完全に「離れ」,独自の型を新たに生み出す段階に入るということですね。


大切なことは,型を破り,独自性を生み出す前に,まずは型を守りなさいということでしょう。

「型通り」というのは,融通の効かないということで,しばしば悪い意味で使われる言葉ですが,まずはそこから始める必要があるのです。

評価の高いエンターテイメント作品をよく分析してみると,古典作品のエッセンスが上手く借用されていることがありますが,これは一種の型を守ることに当てはまるかもしれません。


さらに「守破離」の教えのいいところは,決して守るだけで終わらないことですね。

あくまで「破り」「離れる」を見据えているところがいいなあと思います。

型を守ること自体が目的になってしまうと,ただの量産品に過ぎず,悪い意味での「型通り」になってしまいます。

そうではなくて,模倣から始めても,最後は独自の色を生み出していくところをゴールに据えているのが素晴らしいかと。

優れたエンタメ作品は,以前の名作の要素を上手く借りつつも,結果的に独自の文化を生み出していますよね。

例えば僕は『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画が大好きですが,名作ホラー映画のエッセンスを取り入れつつも,「ジョジョらしさ」と言えるだけの個性にまで昇華していると思います。


守破離」は武道や伝統芸能に限らない,より一般的にも使えるマインドだと思います。

まずは素直に先達から学んでいく意識をもちたいですね。


それでは,また。

/ゴドー