こんばんは,ゴドーです。
今日は「100分de名著」シリーズから,マキャベリ『君主論』の解説を読みました。
『君主論』のタイトルやマキャベリズムといった言葉は知っていましたが,実際に読んでみたことはなく。
翻訳本にあたるのもよいですが,読みやすい解説本があったので,まずはそちらから始めることにしました。
(以前の割引セールで買ったものが,ずっと積読状態になっていたというのもあります)
- 作者: 武田好
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マキャベリズムについては,「目的達成のためにはあらゆる手段も問わない」というような意味に理解していました。
これ自体は確かにマキャベリの主張ではありますが,非情でインパクトのある印象が目立ちすぎているかもしれませんね。
上述の解説本を読んで知ったのですが,『君主論』はマキャベリが諸侯に取り立ててもらうための「就職論文」であったと。
もともと優秀な外交官であったマキャベリが自身の経験を元に理想の君主について書いたものではありますが,就職先に対するアピールを兼ねた内容になっていることは重要だと思います。
あとは,マキャベリの生きた15~16世紀イタリアが,ちょうど日本の戦国時代のように群雄割拠の時代であったことも,『君主論』を読む上では重要でしょう。
マキャベリは外交官の立場から,成功した君主と没落した君主の両方を見てきており,その観察に基づき『君主論』をまとめています。
事を仕損じれば没落・処刑といった激動の時代ですから,一部の記述が我々からすると過激に思えるのもやむなしかと。
『君主論』に限りませんが,本来古典を読むためには,当時の社会情勢や著者の人となりといった背景知識が必要になると思います。
文章自体は(翻訳されていれば)読むことができると思いますが,ただ書かれた内容だけを受け取るのでは不十分かもしれません。
つまり,その古典が書かれた文脈を知っているかどうかで,解釈が大きく変わりうるでしょう。
例えば日本の古典にしてもそうで,文法と古語辞典があれば現代語訳することは可能かもしれませんが,当時の社会背景を前提に補っていかなければ,文中の記述や人々の行動が理解できないことがほとんどです。
古典はしっかり抑えておきたいものの,周辺知識まで勉強するのはなかなか骨が折れるもの。
最近は「100分de名著」シリーズのように,そのあたりを包括して補ってくれる副読本が豊富にあるので,学ぶ敷居は大きく下がっていると思います。
まずは解説書で外観を掴んでから原典にあたっていく,というのが効率がよさそうですね。
それでは,また。
/ゴドー