こんばんは,ゴドーです。
『その問題、やっぱり数理モデルが解決します』という本を読んでいます。
数理モデルの作り方や,モデルを使うことでどのように新しい知見(インプリケーション)が得られるかを平易に解説している良書。
新型コロナウイルスの感染予測もそうですし,今やあらゆる分野で数理モデル解析が使われています。
数理モデル・統計に関する入門書としてオススメできる1冊ではないかと。
この本がいいところは,数理モデルを使うことで何が嬉しいのかをしっかり書いていること。
数学にせよ統計にせよ,その御利益が分からないままに勉強するのは,大半の人にとって退屈でしょう。
応用例を合わせて説明することで,教科書よりも初学者に入りやすいないようになっていると思います。
また,数学が苦手と感じる読者のために,どうすれば数理モデルの「心」が分かるかを説明しているのもポイント。
いきなり一般例から入らず,シンプルな具体例から積み上げていく方法は,それこそ受験数学の難問を解くときにも使うやり方です。
数式アレルギーの人に対して,どこから解釈を始めればいいのか,丁寧に始めているのが優しいですね。
あとは,モデルの限界をちゃんと示しているのも加点対象です。
数理モデルというのはあくまで現象を抽象化したもので,そっくりそのまま現実を記述するとは限りません。
モデル万能論を安易に語るのではなく,モデルの使い方をちゃんと説明している点が非常にフェアですね。
最低限,高校数学に触れたことがないと難しいかもしれませんが,高校生や大学初年度の人,数理モデルに興味のある初学者にオススメです!
それでは,また。
/ゴドー