こんばんは,ゴドーです。
『行動経済学の逆襲』と『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』を読了。
行動経済学という比較的新しい分野の興隆に携わったリチャード・セイラー先生とダニエル・カーネマン先生の自伝的要素を含む本ですね。
- 作者: リチャード・セイラー,Richard H. Thaler,遠藤真美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/07/22
- メディア: 単行本
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- 作者: ダニエルカーネマン,Daniel Kahneman,友野典男,山内あゆ子
- 出版社/メーカー: 楽工社
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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行動経済学という分野に興味があって,このような本を読んでいます。
でも,学問を学ぶ目的ならば,より整理された本を読んだほうがよいかもしれませんね。
自伝というものは大抵が時系列に沿って書かれていますが,物事は時系列順に説明するのが一番分かりやすいわけではありませんから。
むしろ,これまでで明らかになったことを振り返って,再整理したものの方が理解しやすいでしょう。
一方,自伝ならではの良さもあり。
行動経済学はその成立時,それまでの伝統的な経済学からの批判と反発を受けていたわけですが,その辺りの歴史的な流れがよく分かります。
行動経済学が市民権を得た今からすると見落としてしまいがちな,どこに新規性があったのかという点が分かりやすいのはよいですね。
基本的に,自伝というものは「キャラ萌え」小説のようなもの。
主人公に憧れや共感があればあるほど,その内容を楽しめるものだと思います。
小説的な見方をすると,『行動経済学の逆襲』の,特に序盤は面白かったですね。
これまでの経済学とは一線を画する新たな学問の目覚めに戸惑いながら,徐々にその形が見えていくところはストーリーとして面白いです。
かように,学者の自伝はノンフィクション小説のように楽しむこともできるので,新しい分野に触れる際の最初の一歩としてよいかもしれませんね。
そういう意味では,長谷川眞理子先生の『進化生物学への道』は,進化生物学や行動生物学が生まれた時代の空気がよく分かりオススメです。
進化生物学への道―ドリトル先生から利己的遺伝子へ (グーテンベルクの森)
- 作者: 長谷川眞理子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/01/26
- メディア: 単行本
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行動経済学については,もうちょっと中身が知りたかったので,今度は『実践 行動経済学』を読むことにしました。
こちらもセイラー先生の本で,邦訳版を入手しましたが,Amazonレビューによると日本語訳がアヤシイらしい。。
少し不安ですが,とりあえず読んでみようと思います。
それでは,また。
/ゴドー
- 作者: リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2009/07/09
- メディア: 単行本
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