こんばんは,ゴドーです。
物事をあるがままに捉えるというのは,正確な分析をするために最も望ましい捉え方であるというのは,直観的に分かります。
しかし,それが存外に難しい。
受験生が解く現代文の問題では,書かれていることを素直に読む能力があるかどうかが測られています。
素直に読むというのは,文意をありのままに捉えるということ。
換言すれば,自分の意見・立場に依らずに文章を読むということです。
全員が全員,現代文のテストで満点を取れるわけではないし,多くの学生が現代文読解の訓練をわざわざ受けているということは,書かれていることを書かれているままに読み取ることの難しさを表していると言えるでしょう。
眼光紙背に徹するという言葉がありますが,発言者が意図していない内容まで読み取ってしまうひとがいるのが困りもの。
大抵の場合,始めから自分の中に確固たる信念があって,その信念に照らし合わせて結論ありきで読んでいるのだと思います。
自然言語は元々曖昧性を含んでいるし,ある程度は相手の意図を察する必要がありますが,それも度を過ぎると,相手の発言を解釈しているというより,自分が想定する相手の発言を創造してしまいます。
相手が堅固な信念を持っており,どうにも話が通じないとき,どう対処すればよいのか。
いろいろと考えてみますが,まだこれといった解法は見つけられていません。
とりあえず,健全な議論をするのが難しい相手であることは間違いないので,まずは議論しないことがよいかも。
そもそも相手の信念を変えるというのは難しいし,まあ烏滸がましいことでもあります。
むしろ,自分自身が穿った信念で物事を見ていないか,注意深く観察する方が建設的かもしれませんね。
他人を変えるのは難しいですが,自分自身を修正することは,まだずっと可能であると思いますので。
それでは,また。
/ゴドー