こんばんは,ゴドーです。
GIGAZINEで興味深い記事を読みました。
曰く,他者とのつながりが危機から避難する際の妨げになる可能性があると。
詳しい実験内容は上記の記事を読んでいただければ分かりますが,なかなか面白い設定だと思います。
参加者は各自,「避難」か「待機」か自分の行動を選択でき,4人の隣人の選択状況も分かるようになっています。
そして,参加者のなかで唯一人,災害が発生するかどうか知っている人がいて,さらにその人が発生情報を知っていることはその人の隣人にも知られていると。
ということは,少なくともこの5人は正しい選択をすることになりますね。
あとは,彼らの隣人,そのまた隣人へと,正しい行動が伝わっていけば,集団として正しい選択ができるはず。
ところが,実験の結果は災害発生の有無に関わらず避難する人が減ってしまう結果になったと。
避難を選択するにはお金を払わないといけないというコストがあるので,心理的に待機を選びやすかったのかもしれません。
しかし,災害が起こるかどうか少なくとも5人は知っているという現実ではありえない避難者に有利な状況であるにも関わらず,それでもなお避難できないというのは驚きですね。
さらに,本当は災害が起こるにも関わらず「災害は起きない」という「フェイクニュース」が伝搬されやすかったというのも興味深い結果です。
東日本大震災や昨今の豪雨以降,避難の重要性は広く知られるようになってきました。
SNSは3.11当時よりさらにメジャーになりましたし,LINEも広く普及しました。
以前より人と人との情報的つながりは密になっているにも関わらず,情報伝達の結果,集団として正しい避難行動をとれなくなるかもしれないという結果は皮肉ですね。
人を動かすにはSNSに頼らない別の仕組みが必要なのか。
これから気温が上がるにつれて今年も豪雨災害が起こる可能性がありますし,今後ともよく考えていかなければならない問題ですね。
それでは,また。
/ゴドー