こんばんは,ゴドーです。
岡田尊司著『マインド・コントロール』を読みました。
森博嗣先生の『ダマシ×ダマシ』で引用されていたことをきっかけに,興味を持ったのでした。
マインド・コントロール,すなわち洗脳の手法と実際について,具体例と共によくまとまっている本だと思います。
各章のボリュームも程よく,そこまで気合いを入れて望まなくても読みこなせるでしょう。
よく語られることですが,マインド・コントロールにかかりやすい人というのは,純粋で理想主義的なところがある人であるようです。
また,幼少期に親からの愛情を十分に受けられず,愛着不安を生じている人も,誰かに依存してしまいやすいと。
しかし,本人の個性に依らず,ほとんど全ての人を洗脳できるような手法があるということも,本書を読めば分かります。
自衛のためには,どういう方法があるのか知っておくことが大切ですし,そういう意味でも本書は価値があると思います。
特に,新型コロナウイルス禍で社会的に不満や不安が高まっている昨今,自らの利益のために他人を洗脳しようとする個人や組織が活発化する恐れがあります。
コロナ対策の話で,しばしば「この方法は良い(悪い)」や「この人の話は絶対に正しい(間違っている)」のような0か100かという立場になっている人がいます。
このように単純で理想的なものを好む人は,何らかの洗脳を受けやすい状態になっている恐れがありますし,要注意ですね。
本書でも語られている通り,マインド・コントロールの技術は使い手によって毒にも薬にもなるもの。
知識自体が悪なのではなく,あくまで使い方が問題なのですね。
同様に,マインド・コントロールについて知ることは犯罪行為に直結するわけではなく,自己防衛としても必要なことです。
色々と混乱している現代社会を生き抜くためにも,本書を一読してみることをおススメします!
それでは,また。
/ゴドー