こんばんは、ゴドーです。
東京国立近代美術館にて開催中のゲンハルト・リヒター展に行ってきました。
抽象画を中心に観ましたが、敢えてピントを外したような作品が非常に印象的。
個人的な印象ですが、作品を通じてなにか主題を伝えたいというよりはむしろ、主題などというものは一つに決まらないのだというよりメタな主張を表現しているのかなと感じました。
たとえば、様々な色のカラータイルを並べた作品「4900の色彩」では、観ていて様々なパターンが頭をよぎります。
ただ、たくさんの色が無秩序に並んでいるので、部分的にパターンが見つかった気がしても、すぐに目が泳いで次のパターンが見えてくる、その繰り返しになるのですよね。
これもピントずらしと表現の方法は異なりますが、メッセージとしては固定的な見方はできないという同じ内容で、人間の認知機能の弱点を付くことで感覚的に理解させようとしている用に感じました。
油絵の抽象画を敢えてプリントした作品もあり、テクスチャの有無で印象が変わるのも興味深かったです。
ものの見え方はちょっとしたことで大きく揺らぐし、だからこそ逆説的に展示会で作品の実物を鑑賞できたことは価値があったと思いました。
それでは、また。
/ゴドー