こんばんは,ゴドーです。
塩野義製薬のコロナ飲み薬の条件付き早期承認が話題になっていますね。
承認されれば治療の幅が広がるかもしれないと期待されている一方で,まだ薬効が明らかになっていないうちからニュースや政治家に取り上げられていることに医療従事者を中心に慎重な見方も出ているようです。
というのも,塩野義製薬いわく体内のウイルス量を下げることが治験で確かめられたとのことですが,ウイルス量の減少がそのまま症状の改善につながるわけではないようですね。
塩野義製薬の抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」もウイルス量の低下が早いことで期待されましたが、症状緩和までの時間はタミフルと全く差がありませんでした。
— 手を洗う救急医Taka「みんなで知ろう! 新型コロナワクチンとHPVワクチンの大切な話」2刷決定 (@mph_for_doctors) 2022年2月8日
ウイルス量の減りが良ければ良い薬というわけでは必ずしもなく、臨床症状の改善の評価を待つ必要があります。https://t.co/R9A9s2VULw pic.twitter.com/avybW9PY37
コロナ飲み薬に限らずサービス全般に同じことが言えそうですが,結局のところ,方法はさておきアウトカムとしてベネフィットがあればいいのですよね。
ただし難しいのは,一見すると方法に思えること自体がベネフィットであるということもあるので,何を良しとするのかという価値関数を事前によく検討する必要があることですね。
コロナの薬に関しては「症状が緩和される」「重症化を防げる」といったことがベネフィットになるでしょうし,「副作用が少ない」「量産できる」といったことも価値になるかもしれません。
なお「国産である」ということに価値を感じている人もいるようですが,個人的にはそこまで重要だとは思わず,むしろ「十分なデータによって効果が裏付けられている」方が大切だと思いますね。
それでは,また。
/ゴドー